犬は人間に比べて下痢をしやすい動物です。食べ慣れないものを口にした、散歩中に何かを拾い食いした、ストレスを感じたなど、日常的な原因で一時的に便がゆるくなることはよくあります。

ただし、下痢が2日以上続く場合や、血便・嘔吐を伴う場合は病気が隠れている可能性があります。この記事では、犬の下痢が起きた時の自宅ケアと、動物病院に行くべきタイミングを整理しました。

便の状態を観察する

受診時に獣医師に正確に伝えるためにも、便の状態を観察しておくことが大切です。

便の状態考えられる原因緊急度
軟便(形はあるがゆるい)食べすぎ、フードの変更低い
泥状便(形がない)消化不良、軽い感染症中程度
水様便(ほぼ水)腸の炎症、感染症高い
血便(鮮血が混じる)大腸の炎症、ストレス性出血高い
黒色便(タール状)胃や小腸からの出血非常に高い
粘液便(ゼリー状の粘液)大腸の炎症中〜高い

便の写真をスマホで撮っておくと、受診時に説明しやすくなります。色、硬さ、量、頻度をメモしておくのも有効です。

自宅でできるケア

軟便〜泥状便で、犬の元気や食欲が普段とあまり変わらない場合は、自宅でのケアで改善することがあります。

半日〜1日の絶食

消化器を休ませるために、半日から1日(成犬の場合)の絶食が有効です。水は脱水防止のために自由に飲めるようにしておいてください。子犬やシニア犬は絶食に弱いため、この方法は成犬限定で実施します。

消化のよい食事に切り替える

絶食後は、いきなり普段のフードに戻すのではなく、消化しやすい食事から再開します。茹でたささみと白米をほぐして混ぜたものが定番の療養食です。少量ずつ1日3〜4回に分けて与え、便の状態が戻ってきたら徐々に通常のフードに切り替えていきます。

整腸サプリメントの活用

犬用のビオフェルミンや乳酸菌サプリメントは、腸内環境の回復を助ける効果が期待できます。人間用のビオフェルミンS錠を与える飼い主もいますが、量の調整が必要なため、できれば犬用の製品を使うのが安心です。

動物病院に行くべきタイミング

以下に当てはまる場合は、自宅ケアで様子を見るのではなく、動物病院を受診してください。

状況受診タイミング
下痢が3日以上続くできるだけ早く
血便や黒色便が出た当日中に受診
嘔吐を伴っている当日〜翌日中
水を飲まない・元気がない当日中に受診
子犬(生後6か月未満)の下痢半日以上続いたら受診
体重が急激に減っている数日以内に受診
発熱している(耳や肉球が熱い)当日中に受診

子犬は体力の予備が少なく、下痢による脱水が命に関わることがあります。子犬の下痢は成犬以上に注意が必要です。

よくある原因と予防

食事の変更

フードを急に切り替えると下痢を起こしやすくなります。新しいフードに変える場合は、1週間かけて少しずつ混ぜる割合を増やしていく「段階的切り替え」が基本です。

拾い食い

散歩中に落ちているものを食べてしまうと、細菌やウイルスに感染するリスクがあります。散歩中は犬の口元に注意を払い、「拾い食いをしない」トレーニングを日頃から行っておくことが予防になります。

ストレス

引越し、来客、長時間の留守番など、環境の変化がストレスとなって下痢を引き起こすことがあります。ストレス性の下痢は原因が取り除かれると自然に改善することが多いですが、繰り返す場合は生活環境の見直しが必要です。

寄生虫

公園や他の犬との接触で寄生虫に感染することがあります。定期的な駆虫(年2〜4回)を行うことで予防できます。便に白い粒や紐状のものが見える場合は、寄生虫の可能性が高いため便を持参して受診してください。

まとめ

犬の下痢は一時的なものであれば半日の絶食と消化のよい食事で改善することが多いです。ただし、3日以上続く場合、血便や嘔吐を伴う場合、子犬の場合は早めに動物病院を受診してください。便の状態を写真やメモで記録しておくと、獣医師への説明がスムーズになります。