賃貸物件で犬を飼いたいと考えたとき、何から準備すればいいのか迷う方は多いです。物件選びから飼育グッズ、届出まで、やるべきことが想像以上にあります。

この記事では、賃貸で犬を飼い始めるための準備を順番に整理しました。犬種による物件選びの違いや、初期費用の目安もあわせて確認しておきましょう。

賃貸で犬を飼うための大前提

当たり前のことですが、犬を飼うにはペット飼育が認められた物件に住んでいる必要があります。現在の住まいがペット不可であれば、引越しが前提になります。

すでにペット可物件に住んでいる場合でも、飼育する前に管理会社や大家さんに届出が必要なケースがほとんどです。契約書の特約を確認し、飼育できる頭数・犬種・体重制限などを把握しておいてください。

「小型犬1匹まで」という条件が最も一般的で、中型犬以上になると飼育できる物件がかなり限られてきます。

犬種別の物件選びポイント

犬を飼い始めるとき、犬種によって物件に求められる条件が変わります。

犬種の大きさ体重目安物件の条件代表犬種
超小型犬4kg以下ほとんどのペット可物件で飼育可能チワワ、ヨークシャーテリア
小型犬4〜10kgペット可物件の大半で飼育可能トイプードル、ミニチュアダックス
中型犬10〜25kg物件が限られる。要事前確認柴犬、ビーグル
大型犬25kg以上飼育可能な物件は非常に少ないゴールデンレトリバー、ラブラドール

超小型犬や小型犬であれば物件の選択肢が比較的多いですが、中型犬以上は「ペット可」と書かれていても体重制限で断られることがあります。犬種を決める前に、住みたいエリアでどの程度の物件があるのかを調べておくと現実的な判断ができます。

間取りと広さの目安

犬は室内で走り回ることもあるため、ある程度の広さは確保したいところです。小型犬であれば1K(25平米以上)でも飼えなくはありませんが、犬のストレスを考えると1LDKがあると余裕が生まれます。中型犬以上は最低でも1LDK、できれば2LDKが望ましいでしょう。

バルコニーの有無も意外と重要です。犬用トイレの清掃や、日光浴のスペースとして活用できます。ただし、バルコニーでの放し飼いは多くの物件で禁止されているため、あくまで補助的なスペースとして考えてください。

周辺環境のチェック

散歩は犬の健康維持に欠かせないため、散歩コースが充実しているかどうかは物件選びの重要な基準です。近くに公園や緑道があると、日々の散歩が楽になります。

動物病院へのアクセスも確認しておきましょう。急な体調不良で夜間対応が必要になることもあるため、車で30分以内にかかりつけの病院があると安心です。

犬を飼うためにかかる初期費用

犬を飼い始めるには、物件の初期費用とは別に、犬そのものの費用や飼育グッズ代がかかります。

項目費用の目安
犬の購入費(ペットショップ)15〜40万円
犬の迎え入れ費(保護犬)3〜5万円(譲渡費用・医療費)
畜犬登録3,000円
混合ワクチン接種5,000〜10,000円
狂犬病予防注射3,500円前後
マイクロチップ装着無料〜数千円(装着済みの場合も)
飼育グッズ一式3〜5万円

飼育グッズの内訳としては、ケージまたはサークル(1〜2万円)、トイレトレーとシーツ(3,000〜5,000円)、フードボウル・給水器(2,000〜3,000円)、首輪・リード(3,000〜5,000円)、ベッド(3,000〜5,000円)が基本セットです。

犬の購入費や譲渡費用を含めると、物件の初期費用とは別に20〜50万円程度がかかる計算になります。

引越しが必要な場合の総コスト

現在ペット不可の物件に住んでいて引越しが必要な場合は、物件の初期費用も加算されます。ペット可物件の初期費用は家賃の5〜6ヶ月分が相場で、家賃8万円の物件であれば40〜48万円程度です。

引越し費用(3〜10万円)も加えると、犬を飼い始めるための総コストは70〜110万円にのぼることがあります。まとまった出費になるため、事前にしっかり資金計画を立てておきましょう。

飼い始める前にやっておく届出と手続き

犬を迎え入れたら、法律で定められた届出があります。

犬の所有者は取得日から30日以内に市区町村へ畜犬登録を行う義務があります。登録すると鑑札が交付され、犬に装着する必要があります。年1回の狂犬病予防注射と注射済票の装着も法律上の義務です。

2022年6月からはマイクロチップの装着が義務化されました。ペットショップで購入する犬にはすでに装着されているため、飼い主の情報を環境省のデータベースに変更登録するだけで手続きは完了します。保護犬の場合は未装着のこともあるため、動物病院で装着してもらいましょう。

賃貸物件での手続きとしては、管理会社への「ペット飼育届」の提出が必要です。ワクチン接種証明書や犬種・大きさの情報を求められることが一般的です。

飼育環境を整える

犬を迎え入れる前に、室内の環境を整えておきましょう。

フローリングは犬が滑りやすいため、ペット用のマットやカーペットを敷いておくと安心です。滑りによる関節のケガは小型犬に多く、パテラ(膝蓋骨脱臼)の原因になることもあります。

電気コードのかじり防止にはコードカバーが有効です。観葉植物のなかには犬に有毒なものがあるため(ポトス、アイビーなど)、犬の届く場所に置かないようにしてください。

ケージの置き場所は、窓際の直射日光が当たる場所やエアコンの風が直接当たる場所を避けて、家族の気配が感じられるリビングの一角がおすすめです。

まとめ

賃貸で犬を飼い始めるには、物件選び、費用の準備、届出、環境整備とやるべきことが多くあります。犬種によって物件の条件や費用感も変わるため、飼いたい犬種を決めてから物件を探す流れがスムーズです。

初期費用の負担を少しでも軽くするなら、仲介手数料を安く抑えられる不動産会社の利用を検討してみてください。どのポータルサイトで見つけた物件でも対応してもらえるケースが多いため、気に入った物件をお得に契約できる可能性があります。