犬や猫を2匹以上飼っていると、引越し先探しの難易度が一気に上がります。ペット可物件自体が全体の2割に満たないなか、多頭飼いまで受け入れる物件はさらに限られるためです。

ただし、探し方と交渉の仕方を工夫すれば選択肢はゼロではありません。この記事では、多頭飼い可の賃貸物件を効率よく見つけるための具体的な方法を解説します。

多頭飼い可の物件が少ない理由

ペット可物件であっても「1頭まで」「小型犬1匹のみ」といった制限がついているケースが大半です。大家さんが多頭飼いを敬遠する背景には、明確な理由があります。

懸念事項大家さんの視点
騒音の増大2匹以上になると鳴き声や走り回る音が増える
室内ダメージの加速爪とぎや噛み跡の範囲が広がる。修繕費が膨らむ
においの蓄積複数飼育でにおいが強くなりやすい
近隣からの苦情リスク頭数が増えるほどトラブル発生率が上がると見なされる
退去時の原状回復費用敷金でカバーしきれないほどの修繕費になる可能性

ペット可と表記されている物件でも、問い合わせてみると「2匹以上はNG」と言われることは珍しくありません。ポータルサイトの検索結果を鵜呑みにせず、1件ずつ確認する姿勢が求められます。

多頭飼い可の頭数上限はどのくらいか

多頭飼い可物件の頭数上限は、物件の構造やオーナーの方針によって異なります。一般的な傾向を整理しました。

頭数受け入れられやすさ備考
2匹交渉次第で可能な物件がある小型犬・猫であれば通りやすい
3匹かなり限定される分譲賃貸やペット共生型に絞られる
4匹以上非常に少ない一戸建て賃貸かペット共生型マンションが現実的

猫の場合は完全室内飼いが前提のため、犬よりも受け入れられやすい傾向があります。犬の場合は体重による制限が加わることが多く、2匹とも小型犬なのか、中型犬が含まれるのかで大家さんの判断が変わってきます。

ペット共生型マンションであれば、3匹以上を受け入れる物件も見つかります。ペット共生型は建物自体がペットとの生活を前提に設計されており、足洗い場やペット用の動線が整備されているため、多頭飼いへの理解も深いのが特徴です。

ポータルサイトでの探し方

多頭飼い可の物件を効率よく探すには、ポータルサイトの使い方にコツがあります。

「ペット可」+「ペット相談可」の両方にチェックを入れる

「ペット可」だけで検索すると、交渉次第で多頭飼いOKになる物件を見逃してしまいます。「ペット相談可」も含めて検索し、気になる物件があれば頭数を含めて問い合わせましょう。

フリーワード検索を活用する

SUUMO・HOME’S・アットホームにはフリーワード検索があります。「多頭飼い」「2匹」「複数飼育」といったワードで絞り込むと、備考欄に多頭飼い可と記載している物件がヒットすることがあります。

物件タイプを広げる

マンションだけでなく、一戸建て賃貸やメゾネットタイプも候補に入れると選択肢が広がります。一戸建てであれば上下階の騒音問題がなく、大家さんが多頭飼いを許可しやすい傾向があります。

物件タイプ多頭飼い可の出やすさメリット
分譲賃貸マンション出やすい設備が充実している
ペット共生型マンション出やすい多頭飼い前提の設計
一戸建て賃貸交渉しやすい騒音問題が起きにくい
一般的な賃貸マンション出にくい1匹までの制限が多い
木造アパート出にくい防音性が低く敬遠される

複数サイトを必ず横断する

ペット可物件は母数が少ないうえ、多頭飼い可はさらに少ないため、1つのサイトだけでは選択肢がほとんど残りません。SUUMO・HOME’S・アットホームの3つを最低でも併用し、不動産会社独自のサイトもチェックする習慣をつけましょう。

不動産会社に直接相談する

ポータルサイトに出ていない物件を紹介してもらえる可能性があるため、不動産会社への直接相談は有効な手段です。

相談する際は、以下の情報を最初に伝えると話がスムーズに進みます。

  • ペットの種類と頭数(例: 猫2匹、犬1匹+猫1匹)
  • 体重やサイズ(小型犬か中型犬か)
  • 飼育歴の長さ
  • しつけの状況(トイレトレーニング済みか、無駄吠えの有無)
  • 避妊・去勢手術の有無

ペット対応に強い不動産会社を選ぶのもポイントです。「ペット可専門」を掲げている仲介会社であれば、多頭飼い可物件のストックを持っていることが多く、大家さんとの交渉にも慣れています。

交渉を成功させるポイント

多頭飼い可の物件が見つからない場合、「ペット可(1匹まで)」の物件に対して頭数の上乗せ交渉をする方法もあります。大家さんの不安を取り除く姿勢が交渉成功の鍵です。

追加敷金を提示する

大家さんが最も気にするのは退去時の修繕費用です。「追加で敷金を1ヶ月分上乗せします」と先に提示することで、受け入れてもらえる確率が上がります。

通常のペット可物件では敷金が1ヶ月上乗せ(合計2ヶ月)になるのが相場ですが、多頭飼いの場合はさらに1ヶ月分を積んで合計3ヶ月分を提示するのが現実的なラインです。

飼育条件敷金の目安
ペットなし1〜2ヶ月
1匹(小型犬・猫)2ヶ月(+1ヶ月上乗せ)
2匹3ヶ月(+2ヶ月上乗せ)
3匹以上3〜4ヶ月(交渉次第)

ペットの写真や情報を用意する

ペットの種類・サイズ・性格がわかる写真を用意しておくと、大家さんに具体的にイメージしてもらえます。「おとなしい性格です」と口頭で言うよりも、実際の写真を見せたほうが説得力があります。

飼い主としての実績を示す

前の住居でペットと暮らしていた場合は、退去時に大きなトラブルがなかったことを伝えましょう。前の管理会社から推薦状のような書面をもらえる場合もあります。ペット飼育の経験が長いこと、室内の清潔を保つ意識があることを伝えるのが効果的です。

仲介手数料を抑えて敷金に回す

多頭飼いの場合、敷金の追加負担が増えるため初期費用が膨らみがちです。ここで意識したいのが、仲介手数料の節約です。

一般的な不動産仲介では仲介手数料が家賃1ヶ月分かかりますが、仲介手数料を安く設定している不動産会社を利用すれば、家賃6万円の物件で数万円の節約になります。

浮いた分を敷金の追加に回せば、大家さんへの交渉材料を確保しつつ、総支出額を抑えることができます。多頭飼いで初期費用が高くなる分、仲介手数料の部分で節約するのは合理的な方法です。

SUUMO・HOME’Sなどのポータルで気に入った物件を見つけたら、同じ物件を仲介手数料の安い不動産会社経由で契約できないか確認してみましょう。物件自体はどの仲介会社を通しても同じものですが、仲介手数料は会社によって異なります。

まとめ

多頭飼い可の賃貸物件は決して多くありませんが、探し方と交渉次第で選択肢を広げることは可能です。ポータルサイトの横断検索、不動産会社への直接相談、追加敷金の提示といった方法を組み合わせて、根気よく探し続けることが大切です。

初期費用が膨らみやすい多頭飼いだからこそ、仲介手数料の見直しで浮いた分を敷金に充てるという発想は覚えておいて損はありません。