キャンプには興味があるけれど、テントの設営や火起こしはハードルが高い。そんな方に支持されているのがグランピングです。ホテル並みの快適さとアウトドアの開放感を両立できるグランピングは、犬連れの旅行先としても注目を集めています。

関東エリアでペットOKのグランピング施設の選び方と、犬連れならではの注意点、エリア別のおすすめポイントをまとめました。

グランピングが犬連れ旅行に向いている理由

グランピングは「グラマラス(豪華)」と「キャンピング」を掛け合わせた造語で、設備の整ったテントやドーム、キャビンで過ごすアウトドア体験を指します。犬連れとの相性が良いのには、はっきりとした理由があります。

多くのグランピング施設はテントやキャビンが間隔を置いて配置されており、隣のサイトとの距離が十分にあります。犬の鳴き声や足音を気にしすぎなくて済む環境は、飼い主の心理的な負担を大きく減らしてくれるでしょう。ホテルの廊下で他の宿泊客とすれ違うたびに緊張する、あの感覚から解放されます。

テラスやデッキ、敷地内の芝生エリアで犬と一緒にアウトドアの時間を共有できるのも、室内中心のホテルステイにはない魅力です。BBQや焚き火を楽しみながら、犬は足元で寝転がっている。そんな穏やかな時間が、グランピングにはあります。

食事の問題が解消されるのも見逃せないポイントです。レストランに犬を連れていけるかどうかを心配する必要がなく、デッキの上で犬と一緒にBBQディナーを楽しめます。

施設タイプ別の特徴と料金相場

関東のペットOKグランピング施設には、いくつかのタイプがあります。犬連れで初めて挑戦するなら、どのタイプが自分に合っているか確認しておきましょう。

タイプ特徴犬連れ向きポイント
ドームテント球体型のテント、開放感が魅力窓が大きく犬も景色を楽しめる
ベルテント三角屋根のクラシックなテント自然に近い体験、コスパが良い
キャビン・トレーラー木造やトレーラーハウス冷暖房完備で快適、雨でも安心
コテージ壁と屋根のある一棟建て室内で犬と過ごせる施設が多い

犬連れで初めてグランピングに挑戦するなら、キャビンやコテージタイプが安心です。壁と屋根がしっかりした構造のため犬が落ち着きやすく、急な天候の変化にも対応できます。テントタイプは開放感がある反面、虫や暑さ・寒さの影響を受けやすいため、季節を選ぶ必要があるでしょう。

料金でつまずきやすいのが、施設によって表示の単位が違うことです。1棟あたりで出す施設と、1名あたりで出す施設があり、さらに犬の宿泊料が別立てでかかります。この記事で紹介する施設の公式表示を並べると、次のようになります。

施設部屋の料金(公式表示)犬の料金
THE FARM ドギーコテージ(千葉・香取市)1棟 19,800円〜(税込21,780円〜/定員4名)表示なし(1棟2頭まで)
PICA秩父 ドギーコテージ(埼玉・秩父市)1泊1名 9,180円〜(定員4名)1頭1,900円/追加1頭600円
PICA山中湖 ドギーコテージ(山梨・山中湖村)1泊1名 5,865円〜(定員4名)1頭1,900円/追加1頭600円
TOWAピュアコテージ(栃木・那須町)部屋タイプが多く時期で変動1頭2,200円(税込/頭数制限なし)
キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原(栃木・那須町)サイト・棟により異なる1〜3匹で1泊1,100円

いずれも食事が付かない状態の基本料金です。BBQや夕食を付けると総額は大きく変わり、ハイシーズンは基本料金自体も上がります。予約画面で日程を入れるまで実額は確定しないと考えておくのが安全です。

関東のエリア別ガイドとおすすめ施設

関東近郊でペットOKのグランピング施設が見つかる主なエリアを、具体的な施設名とあわせて紹介します。

千葉・房総エリア

都心から高速道路で1時間半から2時間ほど。海沿いの施設が多く、潮風を感じながらのアウトドアが楽しめます。温暖な気候のため春から秋にかけてのシーズンが長いのも利点です。

香取市の「農園リゾート THE FARM」には、犬と泊まれる「ドギーコテージ」があります。同伴できるのは10kg未満の小型犬と25kg未満の中型犬で、1棟につき2頭まで、生後6か月以上が条件です。

犬は室内に入れられますが、ベッドや寝具に乗せることはできず、部屋に犬だけを残して出かけるときは必ずケージに入れる決まりです。 敷地内の温泉「おふろcafé かりんの湯」は犬が立ち入れないため、温泉に行く間は室内のケージで待つことになります。

コテージエリアには830㎡の天然芝ドッグランがあり、宿泊者は無料で使えます(日帰り利用は1頭500円・12:00〜15:00、最終受付14:45)。

10万㎡を超える敷地は入場も駐車場も無料で、林の散歩道を歩けます。ただし畑の中やグランピングエリア、管理棟、カフェの店内(テラス席は同伴可)は犬が入れません。園内マップで歩ける範囲を先に確認しておくと安心です。

海に近いところを選ぶなら、一宮町の「釣ヶ崎グランピングリゾート」があります。愛犬と泊まれるのはフォレストデッキドームとスカイデッキドームの2タイプで、どちらにもプライベートドッグランが付きます。 スカイデッキは管理棟の屋上、フォレストはドームの裏手にあります。

同伴できるのは体重10kg未満の犬が3頭まで、猫は不可です。ケージ・リードフック・犬用タオル・ペットシート・食器・専用の足洗い場が備えられており、ケージの外で寝かせる場合はマナーベルトの着用が求められます。

東京2020オリンピックのサーフィン会場になった釣ヶ崎海岸が近く、九十九里の南端にあたる一宮はサーフタウンとしても知られるエリアです。

埼玉・秩父エリア

秩父や飯能周辺には森の中のグランピング施設が点在しています。都心から約2時間と日帰り圏内でもあり、公園と組み合わせて散歩の時間を長く取れるのが利点です。

「PICA秩父」は秩父ミューズパーク内にあるアウトドアリゾートです。犬を連れて泊まれるのはドギーコテージ、BBQ 6(CAMP6)、PARK&CAMPサイトの3つだけで、ほかの宿泊施設は同伴できません。

ドギーコテージは犬が同室で過ごせるタイプで、公式表示の料金は1泊1名9,180円から(定員4名)。これとは別に犬の宿泊料がかかり、コテージは1頭1,900円・追加1頭ごとに600円、テントサイトは1頭600円です。

場内では必ずリードにつなぐ決まりで、売店・温浴施設「樹音の湯」・コテージホールには犬を連れて入れません。犬だけを部屋に残して外出することも禁止されています。5種混合以上と狂犬病の予防接種を済ませていること(最終接種から3年以内)が受け入れの前提です。

秩父ミューズパークは公園そのものが犬を連れて歩ける場所で、公式サイトもリードの着用を呼びかけています。朝の散歩をそのまま公園散策につなげられる立地です。

栃木・那須エリア

那須高原のグランピング施設は、広大な敷地と充実した犬用設備が特徴です。プライベートドッグラン付きの棟を持つ施設もあり、柵の中でリードを外して過ごせます。

「那須ハイランドパーク オフィシャルホテル TOWAピュアコテージ」は、犬と泊まれる部屋タイプが多く、プライベートドッグラン付きの棟や大型犬向けの棟も選べます。犬の宿泊料は1頭2,200円(税込)で、頭数の制限はありません。

ホテル内に2,000㎡以上の天然芝ドッグランがあるほか、隣接する那須ハイランドパークの入園料が滞在中は何度でも無料になり(通常は大人1,600円・犬500円)、園内8か所のドッグランも使えます。

ただし寝室に犬を入れることはできず、ベッドに乗せるのも不可です。 食事はBBQ village と朝食レストランのテラス席、あるいは部屋食で犬と一緒にとれます(レストランでの同伴は冬季を除く)。那須塩原駅からホテルまでは無料の送迎バスが1日3便あり、予約が必要です。

「キャンプ・アンド・キャビンズ那須高原」はファミリー向けのキャンプ場で、犬連れの受け入れ条件が細かく決められています。同伴は1家族3匹まで(ドッグキャンプサイトのみ4匹まで)、料金は1〜3匹で1泊1,100円です。場内では120cm以内のリードを使い、区画の外や道路に届かない範囲でつなぐよう定められています。

見落としやすいのが建物に泊まる場合のルールです。室内では常にケージを使い、犬が床や壁に直接触れないようにする決まりで、ペット用ベッドやマットシートは使えません(トレー付きのケージ・サークルが必要。ケージのレンタルは550円)。犬連れの場合は毛布などの寝具が借りられないため、持参します。

管理棟とKOOBUTSU KOBOは抱っこでの同伴です。キッチン・キャンパーズダイニング・大浴場・シャワー・KIDS PLAY GARDEN・じゃぶじゃぶ池・クリスタルハンターには犬を連れて入れません。ドッグランには管理人がいないので、犬同士の様子を見ながらリードを外すことになります。

神奈川・山梨エリア

温泉と組み合わせたいなら、湯河原の「ザ ベース グランピング湯河原」があります。全10棟のうち愛犬同伴可能なのは3棟(ドッグベース/ドッグスイートベース)で、この2タイプには愛犬専用の温泉風呂が付きます。 飼い主の温泉露天風呂とは別に、犬も湯に入れる造りです。

同伴は1部屋2頭まで、犬のみが対象です。食器・ペットシーツ・除菌スプレー・タオルは用意されていますが、犬のごはんは持参します。ベッドに上げることはできません。ワクチン接種証明書の提示は不要で、チェックイン時に1年以内の狂犬病・混合ワクチン接種を受けている旨に署名します。

富士山側まで足を延ばすなら「PICA山中湖」です。犬と泊まれるのはドギーコテージ1棟のみ(定員4名・公式表示で1泊1名5,865円から)で、犬は同室で過ごせます。犬の宿泊料は1頭1,900円・追加1頭600円です。

場内では常にリードをつけ、ほかの利用者がいるサイトや建物の周りでの散歩は禁止されています。食事は「FUJIYAMA KITCHEN」がテラス席のみ、「FUJIYAMA GARDEN WORKS」とハンモックカフェは全席で犬と一緒に過ごせます。

山中湖畔には湖をほぼ一周できるサイクリングロードが整備されており、山中湖観光協会は一周およそ1時間半としています。起伏の少ない道なので、犬とゆっくり歩くのにも向きます。

現地の標高は約990mあり、施設が示す気温の目安では8月の最高気温が26.0℃、最低気温が16.2℃です。真夏でも過ごしやすい反面、1月の最低気温は-9.3℃まで下がります。春や秋でも朝晩は冷え込むため、ブランケットや犬用の上着を持っていくと安心です。

ペットOKグランピングの選び方チェックリスト

犬連れでグランピングを選ぶ際に確認しておきたいポイントをまとめました。公式サイトの情報だけでは分からないことも多いため、電話で直接確認するのが確実です。

チェック項目確認内容
サイズ・犬種制限小型犬のみ/中型犬まで/大型犬OK
頭数制限1頭まで/2頭まで/制限なし
ノーリード可否デッキ上のみ/ドッグフリーサイトあり
柵の有無サイト周囲に柵があるか
犬用設備ケージ、食器、足洗い場の有無
犬の室内入室テント・キャビン内に犬を入れられるか
焚き火エリア焚き火と犬の距離が確保できるか
周辺環境散歩コースはあるか、車道は近くないか

見落としがちなのが「犬の室内入室可否」です。同じ「ペットOK」でも、犬が同室で自由に過ごせる施設、室内でも常にケージが必要な施設、寝室には入れられない施設と実際の扱いは分かれます。この記事で紹介した施設だけでも3通りとも存在します。夜間や悪天候時に犬をどこで過ごさせるのか、予約前に必ず確認してください。

ドッグフリーサイト(柵付きプライベートエリア)の有無も、施設選びの大きなポイントです。柵がないサイトではリードをつけっぱなしになるため、犬が自由に動き回れる時間が限られます。ノーリードで過ごす時間を確保したいなら、ドッグフリーサイトのある施設を優先的に探しましょう。

犬連れグランピングの持ち物リスト

グランピングは手ぶらで楽しめるのが売りですが、犬関連のアイテムはほぼ持参になります。施設によっては犬用アメニティを用意しているところもありますが、期待しすぎないほうが安心です。

持ち物用途
ロングリードデッキでのんびり過ごすときに
ペグ・アンカーリードを固定するため
いつものフード・おやつ環境変化による食欲低下対策
水飲みボウル携帯タイプが便利
トイレシーツテント内やデッキ上で使用
虫除けスプレー(犬用)特に夏場は必須
ダニ・ノミ予防薬草むらの散歩前に確認
タオル・ブランケット犬の居場所づくりに
ライト付き首輪夜間の散歩時に視認性アップ
クールマット or 犬用毛布季節に応じた温度調整

アウトドア特有の注意点として、ダニやノミの予防があります。草むらや林の中を散歩した後は犬の体をチェックし、帰宅後にシャンプーしてあげると安心です。フィラリア予防薬やダニ予防薬は旅行前にかかりつけの獣医に相談しておきましょう。

焚き火を楽しむ場合は、犬が火に近づきすぎないよう注意が必要です。リードで距離を確保するか、犬をデッキの上で休ませた状態で焚き火を楽しむのが安全です。火の粉が犬の毛に飛ぶと火傷のリスクがあるため、風向きにも気を配ってください。

季節ごとのおすすめ時期

関東のグランピングは季節によって快適さが大きく変わります。犬連れの場合、犬の体調管理も含めて時期を選びたいところです。

季節おすすめエリア犬連れのメリット注意点
春(4〜5月)全エリア気温が穏やかで散歩に最適GWは混雑、早めの予約を
夏(6〜8月)山中湖・那須高原朝晩が涼しく犬が休みやすい日中は那須も30℃近くまで上がる
秋(9〜11月)全エリア紅葉+涼しさで最高のシーズン10月の週末は人気が集中
冬(12〜3月)房総(温暖)虫がいない、サイトが空いている山間部は冷え込みが厳しい

犬連れグランピングのベストシーズンは春と秋です。気温が穏やかで虫も少なく、犬も人も快適に過ごせます。

夏に「高原なら涼しい」とひとくくりにすると当てが外れます。各施設が公式に出している8月の気温の目安を並べると、同じ関東近郊でも差がはっきり出ます。

8月の気温の目安(各施設の公式表示) 15℃ 20℃ 25℃ 30℃ 秩父 埼玉県 21.2 〜 30.7℃ 那須高原 標高400m 18 〜 30℃ 山中湖 標高990m 16.2 〜 26.0℃ 秩父・山中湖は最高/最低、那須高原は日中/朝晩の表記です。 数値は各施設の公式サイトより。
標高が上がるほど下限が下がります。日中の暑さは秩父と那須高原で大きく変わりません。

日中の上限は秩父も那須高原も30℃前後で大きく変わりませんが、下限は秩父21.2℃、那須高原18〜20℃、山中湖16.2℃と開きます。犬が体力を戻すのは夜です。夏に選ぶなら、日中の最高気温ではなく朝晩の気温を見てください。

参考情報

犬の受け入れ条件・料金・場内のルールは、各施設の公式サイトで確認したものです。条件は変わることがあるため、予約前に最新の情報をご確認ください。

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グランピングはプライベート空間と自然の開放感を両立できる、犬連れ旅行にぴったりのスタイルです。関東近郊だけでも房総、秩父、那須、山梨とエリアの選択肢が豊富にあり、海派も山派も満足できるロケーションが揃っています。

施設ごとにサイズ制限やノーリードの可否が異なるため、予約前の確認は電話で丁寧に。ドッグフリーサイトのある施設を選べば、犬もリードから解放されて思い切り走り回れます。愛犬と一緒に焚き火を囲み、星空を眺める夜は、きっと特別な思い出になるはずです。