ペット可物件への引越しを考えたとき、最初にぶつかるのが「結局いくらかかるのか」という疑問です。物件の初期費用だけでなく、引越し業者代、ペット用品の買い替え、各種手続きの費用など、出ていくお金は想像以上に多いです。

この記事では、ペット可物件への引越しにかかる費用を項目ごとに整理し、総額の目安と節約のポイントをまとめました。

引越し費用の全体像

ペット可物件への引越しにかかる費用を大きく4つのカテゴリに分けて見ていきましょう。家賃8万円のペット可物件に引っ越す場合を想定しています。

カテゴリ費用の目安主な内訳
賃貸の初期費用35〜50万円敷金、礼金、仲介手数料、前家賃、火災保険、鍵交換
引越し業者代3〜10万円距離、荷物量、時期による
ペット関連の準備費用3〜8万円ペット用品の買い替え、部屋の対策グッズ
各種手続き・その他1〜3万円住所変更、ライフライン開通
総額約42〜71万円

おおむね40〜60万円が中心的なレンジで、条件によっては70万円近くになることもあります。ペット可物件は通常の物件より初期費用が高くなりがちなので、通常の引越しより5〜10万円ほど多めに見積もっておくのが安全です。

カテゴリ別の内訳

賃貸の初期費用

ペット可物件の初期費用で最も大きな特徴は、敷金が上乗せされることです。ペットによる壁や床の損傷リスクを考慮して、通常より1ヶ月分多く設定されているケースが一般的です。

項目通常の物件ペット可物件
敷金8万円(1ヶ月分)16万円(2ヶ月分)
礼金8万円(1ヶ月分)8万円(1ヶ月分)
仲介手数料8.8万円(1ヶ月+税)8.8万円(1ヶ月+税)
前家賃8万円8万円
火災保険1.5〜2万円1.5〜2万円
鍵交換1〜2万円1〜2万円
合計約35〜37万円約43〜45万円

礼金や仲介手数料はペットの有無にかかわらず同額ですが、物件によってはペット可の条件として礼金1ヶ月分を追加で求められることもあります。契約前に必ず確認しましょう。

引越し業者代

引越し業者の費用は、距離・荷物量・時期の3要素で決まります。

条件費用の目安
単身・近距離(同一市区内)3〜5万円
単身・中距離(同一都道府県内)5〜8万円
2人暮らし・近距離6〜10万円
2人暮らし・中距離8〜15万円
繁忙期(3〜4月)の割増通常の1.5〜2倍

ペットを連れての引越しでは、ペットの移動手段も考えておく必要があります。犬や猫は自家用車で一緒に移動するのが一般的ですが、長距離の場合はペット輸送の専門業者を利用することもあります。専門業者の費用は距離によって2〜5万円程度です。

ペット関連の準備費用

新居に移る際にペット用品を買い替えたり、部屋の保護対策をしたりする費用も無視できません。

項目費用の目安
フロアマット・保護シート5,000〜15,000円
脱走防止柵(猫の場合)3,000〜10,000円
新しいトイレ・ケージ3,000〜15,000円
爪とぎ対策シート2,000〜5,000円
消臭グッズ1,000〜3,000円
ペットゲート3,000〜8,000円
合計約17,000〜56,000円

すべてを新調する必要はなく、旧居で使っていたものを持っていけるものも多いです。ただし、新居の間取りに合わせてフロアマットやペットゲートのサイズ変更が必要になることはよくあります。

各種手続き・その他

引越しに伴う手続き関連の費用も地味に積み重なります。

住所変更に伴う各種届出は基本的に無料ですが、車の車庫証明の取得に2,500〜2,800円、マイナンバーカードの住所変更手続きで窓口に行く交通費、ペットの登録住所変更(犬の鑑札は無料〜数百円)など、細かな出費があります。

電気・ガス・水道の開通手続き自体は無料ですが、ガスの開栓には立ち会いが必要なため、平日に時間を確保できない場合はスケジュール調整の手間がかかります。

総額を40万円以内に抑える3つの節約ポイント

仲介手数料を抑える

初期費用のなかで最も削減しやすいのが仲介手数料です。宅建業法で定められている上限は「家賃1ヶ月分+消費税」ですが、これは下限ではありません。仲介手数料を半額以下に設定している不動産会社も存在します。

家賃8万円の物件なら、仲介手数料が1ヶ月分の場合は88,000円、半額なら44,000円。この差額だけで4万円以上の節約になります。SUUMOやHOME’Sなどのポータルサイトで見つけた物件でも、仲介手数料の安い不動産会社を通して契約することは可能です。

引越し時期を閑散期にずらす

3〜4月の繁忙期は引越し業者の料金が通常の1.5〜2倍に跳ね上がります。可能であれば、5〜6月や10〜11月の閑散期に引越しをずらすだけで、業者代を3〜5万円抑えられます。

日程の調整が難しい場合でも、平日を選ぶ、午後便を選ぶ、荷物を減らして小さいトラックにするなどの工夫で数千〜1万円程度は節約できます。

ペット用品はフリマアプリを活用する

ペットゲートやケージなど、ペットの成長に合わせて不要になった中古品がフリマアプリに多く出品されています。新品の半額以下で状態の良いものが見つかることも珍しくないため、急いで新品を揃える前にチェックしてみる価値はあります。

フロアマットや消臭グッズのような消耗品は新品が安心ですが、ケージやゲートのような耐久品は中古でも十分に使えます。

仲介手数料の節約が最もインパクトが大きい

引越し費用の総額を見ると、賃貸の初期費用が圧倒的に大きな割合を占めています。なかでも仲介手数料は「どの不動産会社を通すか」だけで金額が変わるため、最もコントロールしやすい節約ポイントです。

物件そのものは同じでも、仲介する不動産会社によって手数料は異なります。気に入った物件を見つけたら、仲介手数料の安い不動産会社に相談してみるのが、総額を抑える最も確実な方法です。

まとめ

ペット可物件への引越し費用の総額は、おおよそ40〜60万円が目安です。通常の引越しと比べて、敷金の上乗せやペット用品の準備費用で5〜10万円ほど多くかかります。

節約のポイントは、仲介手数料の安い不動産会社を選ぶこと、閑散期に引越すこと、ペット用品を賢く調達すること。特に仲介手数料の見直しは4万円以上の節約効果が見込めるため、最優先で検討したいところです。