ペット可物件に申し込む際、入居審査は避けて通れません。ペットを飼うからといって審査が極端に厳しくなるわけではありませんが、一般の物件にはない確認事項がある場合もあります。

保証会社の利用が主流になった現在の賃貸事情を踏まえ、審査の仕組みと通りやすくするコツを整理します。

賃貸の入居審査の基本

賃貸物件の入居審査では、家賃の支払い能力があるかどうかが最も重視されます。年収が家賃の36倍以上(月収で家賃の3倍以上)あれば、一般的には問題なく通るとされています。

家賃必要な月収目安必要な年収目安
7万円21万円以上252万円以上
10万円30万円以上360万円以上
13万円39万円以上468万円以上

審査は大家さん(管理会社)と保証会社の二段階で行われるのが一般的です。保証会社の審査は年収や勤務先などの定量的な基準で判断され、大家さんの審査は入居者の人柄や生活スタイルも含めた総合的な判断になります。

保証会社の役割と仕組み

以前は連帯保証人を立てるのが一般的でしたが、現在は保証会社の利用が主流です。保証会社は入居者が家賃を滞納した場合に代わりに支払う役割を担い、その対価として保証料を入居者から受け取ります。

保証料の相場は初回が家賃の0.5〜1ヶ月分、更新時は年1〜2万円程度です。物件によっては保証会社の利用が必須条件になっているケースもあります。

保証会社には大きく3つの種類があり、審査の厳しさが異なります。

種類審査基準通りやすさ
信販系(オリコ、ジャックス等)信用情報を参照やや厳しい
LICC系(全保連、日本賃貸保証等)加盟会社間で滞納情報を共有普通
独立系(フォーシーズ、Casa等)自社基準で審査比較的通りやすい

過去にクレジットカードの延滞歴がある場合、信販系の保証会社は審査に通りにくくなります。そうした場合は独立系の保証会社を指定できる物件を選ぶのも一つの方法です。

ペット可物件特有の審査ポイント

ペット可物件では、通常の審査に加えてペットに関する確認が行われることがあります。

飼育するペットの種類、犬種(猫種)、頭数、体重は基本的な確認事項です。物件ごとに飼育条件が定められているため、条件に合致しているかどうかがチェックされます。「小型犬1匹まで」の物件に中型犬で申し込んでも通らないのは当然です。

ワクチン接種証明書の提出を求められることもあります。とりわけ犬の場合は、狂犬病予防注射の接種済み証明書は必須と考えておきましょう。

ペットの写真の提出を求められるケースもあります。これは犬種や大きさの確認のためです。申告と実際のペットが異なるトラブルを防ぐ目的で行われています。

審査に通りやすくするコツ

年収と家賃のバランスを適正にする

審査で最も重要なのは支払い能力です。ペット可物件は敷金が上乗せされることが多いぶん、初期費用の支払い能力も見られます。預貯金の残高証明を提出できると、審査にプラスに働くことがあります。

家賃は手取り月収の3分の1以下に収めるのがセオリーです。ペット関連の出費(フード代、医療費、トリミング代等)も月に1〜3万円かかることを考えると、あまり無理な家賃設定はおすすめしません。

勤務先の情報を正確に記入する

在籍確認の電話が勤務先にかかることがあります。会社名、所属部署、電話番号を正確に記入し、在籍確認の電話がある旨を事前に会社に伝えておくとスムーズです。

転職直後で勤続年数が短い場合は、前職の在籍期間を含めた職歴や、内定通知書を添えると審査担当者の印象がよくなります。

ペットの情報を丁寧に準備する

ペットに関する情報は、聞かれる前に自分から準備して提出するのが効果的です。ワクチン接種証明書、マイクロチップの登録証明書、犬の場合は畜犬登録の鑑札番号、ペットの写真(全身写真と顔のアップ)を揃えておくと、「きちんとした飼い主」という印象を与えられます。

しつけの状況やこれまでの飼育歴を書面で添えるのも有効です。「前の住居で3年間トラブルなく飼育していた」という実績は、大家さんの安心材料になります。

不動産会社を味方につける

仲介の不動産会社は大家さんとの橋渡し役です。担当者との関係を良好に保ち、審査に必要な書類を迅速に提出することで、担当者が大家さんに対して「この方なら大丈夫です」と推してくれることがあります。

内見時のマナーや連絡のレスポンスの速さも、担当者の印象に影響します。

連帯保証人が必要な場合

保証会社の利用が一般的とはいえ、物件によっては連帯保証人を求められることがあります。保証会社と連帯保証人の両方が必要なケースもあり、特に高額物件やペットの飼育条件が厳しい物件でこの傾向が見られます。

連帯保証人は2親等以内の親族(両親、兄弟姉妹)が求められるのが一般的です。安定した収入があり、持ち家であることが望ましいとされています。

親族に頼れない場合は、保証会社のみで対応してくれる物件を探すか、不動産会社に相談して保証会社のみで審査が通る物件を紹介してもらいましょう。

審査に落ちた場合の対処法

審査に落ちた場合でも、別の物件で再チャレンジすることは問題ありません。落ちた理由は通常開示されませんが、家賃を下げる、保証会社の種類が異なる物件を選ぶ、ペットの飼育条件がより緩い物件にする、といった調整で通る可能性はあります。

短期間に複数の保証会社の審査に申し込むと「多重申込」として不利になることがあるため、1件ずつ結果を待ってから次に進むのが無難です。

まとめ

ペット可物件の入居審査は、支払い能力の確認に加えてペットの飼育条件が合致しているかどうかがポイントになります。ワクチン証明書やペットの写真を事前に準備し、「きちんとした飼い主」という印象を与えることが審査通過への近道です。

保証会社の種類や審査基準は物件ごとに異なるため、不動産会社の担当者と相談しながら自分に合った物件を見つけていきましょう。