ペットと暮らした賃貸物件を退去するとき、壁紙の引っかき傷やフローリングのキズが気になる方は多いでしょう。原状回復費用は退去時の大きな出費になりがちですが、軽微な傷であれば自分で補修できるケースもあります。
この記事では、ペットがつけがちな傷の種類別にDIYで補修する方法と、使える道具・材料を紹介します。
ペットがつけがちな傷の種類
ペットと暮らすと、どうしても部屋に傷がつきやすくなります。犬と猫では傷のパターンが異なるため、対策も変わってきます。
| 傷の種類 | 主な原因 | 発生場所 |
|---|---|---|
| 壁紙の引っかき傷 | 猫の爪とぎ、犬のジャンプ | 壁の下部(高さ30〜80cm) |
| 壁紙のめくれ | 猫が壁紙の端をめくる | 壁紙の継ぎ目、角 |
| フローリングの傷 | 犬の爪による擦り傷 | リビング、廊下 |
| 柱・建具のかじり跡 | 犬のかじり癖 | ドア枠、巾木 |
| 壁紙の汚れ | ペットの体の油脂、よだれ | 犬のお気に入りの場所 |
これらの傷すべてをDIYで完璧に直すのは難しいですが、目立たなくする程度の補修は十分に可能です。
壁紙の引っかき傷を直す
猫の爪とぎでついた壁紙の傷は、退去時に最も指摘されやすいポイントです。
浅い引っかき傷の場合は、壁紙用の補修剤で対応できます。ホームセンターで500〜800円程度で購入できる壁紙補修パテを傷に塗り込み、乾いたらサンドペーパーで表面を整えるだけで目立たなくなります。
壁紙がめくれてしまった場合は、壁紙用の接着剤(壁紙のり)を使って貼り直す方法が有効です。めくれた部分の裏側に接着剤を塗り、ローラーで圧着してからはみ出した接着剤を濡れたタオルで拭き取ります。
壁紙が破れて下地が見えている場合は、同じ柄の壁紙を入手できれば部分的な張り替えも可能です。退去が近い方は、入居時にもらった壁紙の余りがないか確認してみてください。
フローリングの傷を消す
犬の爪によるフローリングの擦り傷は、程度によって補修方法が異なります。
| 傷の程度 | 補修方法 | 使う道具 | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| 浅い擦り傷 | フローリング用クレヨンで着色 | 補修用クレヨン | 300〜600円 |
| やや深い傷 | パテで埋めて着色 | 木部補修パテ+着色剤 | 800〜1,500円 |
| 深い凹み | エポキシパテで充填後に研磨・着色 | エポキシパテ+サンドペーパー | 1,000〜2,000円 |
| 広範囲の傷 | DIYでは限界。業者に依頼 | — | 10,000〜30,000円 |
フローリング補修用のクレヨンは数色セットで売られていることが多く、自分の部屋のフローリングに近い色を選んで傷に塗り込むだけで目立たなくなります。複数の色を混ぜて使うと、より自然な仕上がりになるでしょう。
柱・建具のかじり跡を補修する
犬のかじり跡は木部に深く入っていることが多く、完全に消すのは難しい傷です。とはいえ、目立たなくする方法はあります。
木部補修用のパテ(エポキシパテやウッドパテ)をかじり跡に充填し、乾燥後にサンドペーパーで研磨して表面を平らにします。その上から木部用の着色ペンやニスを塗れば、遠目にはわからない程度まで補修できます。
ドア枠や巾木のかじり跡が広範囲にわたる場合は、DIYでの対応が難しくなるため、管理会社に事前相談するのも選択肢です。自分で補修を試みたことで逆に悪化させてしまうと、請求額が増えるリスクもあります。
壁紙の汚れ落とし
ペットの体から出る皮脂や、よだれが壁紙についてできた黄ばみ汚れは、中性洗剤を薄めた水で拭き取ると落ちるケースがあります。ビニールクロス(一般的な壁紙)であれば水拭きに対応しているため、柔らかい布にぬるま湯を含ませて優しく拭いてみてください。
メラミンスポンジは汚れ落ちが良い反面、壁紙の表面を削ってしまうことがあるため、目立たない場所で試してから使うのが安全です。
DIY補修の注意点
自分で補修する際にはいくつかの注意点があります。
管理会社や大家さんに無断で大がかりな補修を行うと、かえってトラブルになることがあります。壁紙の全面張り替えや床の塗装など、見た目に大きく影響する補修は事前に相談しておく方が無難でしょう。
補修した箇所と元の部分で色味が合わないと、逆に目立ってしまうこともあります。DIYの補修はあくまで「目立たなくする」のが目的であり、プロの仕上がりと同じレベルを求めるのは現実的ではありません。
退去時の立会い検査では、自然損耗(経年劣化)とペットによる損耗が区別されます。壁紙の日焼けや小さなピン穴は自然損耗として借主負担にならないケースが多いため、DIYで直す必要のない傷まで手を加えないことも大切です。
まとめ
ペットがつけた壁紙の傷やフローリングのキズは、軽度なものであればDIYで目立たなくすることが可能です。壁紙補修パテやフローリング用クレヨンなど、ホームセンターで手に入る道具で対応できる範囲は意外と広いでしょう。ただし、広範囲の傷や深い損傷はプロに任せた方が結果的にコストを抑えられることもあるため、傷の程度を見極めて判断してください。