ペット可物件を探す際、間取りや家賃と同じくらい大切なのが建物の構造です。犬の鳴き声や走り回る音が近隣に響くかどうかは、建物がRC造(鉄筋コンクリート造)なのか木造なのかによって大きく変わります。
それぞれの構造の特徴を比較し、ペットと暮らすうえでの向き不向きを考えてみましょう。
RC造と木造の基本的な違い
賃貸物件で主に見かけるのは、RC造(鉄筋コンクリート造)、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)、鉄骨造(S造)、木造の4つです。ペットとの暮らしに直接関わる項目で比較します。
| 比較項目 | RC造 | 鉄骨造 | 木造 |
|---|---|---|---|
| 防音性 | 高い | 中程度 | 低い |
| 家賃相場 | 高い | 中程度 | 安い |
| 築年数の傾向 | 新築〜築浅が多い | 幅広い | 築古が多い |
| 気密性 | 高い | 中程度 | 低い |
| 耐久性 | 高い | 高い | 中程度 |
| ペット可物件の割合 | 一定数あり | 一定数あり | 比較的多い |
SRC造はRC造よりさらに防音性が高いですが、物件数が少なく家賃も高めです。ここではRC造と木造を中心に見ていきます。
防音性の違い
ペットを飼ううえで最も気になるのが防音性です。
RC造はコンクリートの壁で仕切られているため、隣室や上下階への音漏れが少ないのが特徴です。犬が吠えたときの声や、猫が高所からジャンプしたときの衝撃音を、ある程度は壁と床が吸収してくれます。
木造は壁の薄さから音が伝わりやすく、犬の鳴き声はほぼ確実に隣室に聞こえます。猫の場合でも走り回る足音が階下に響くことがあり、夜間は特に気を使います。
ただし、RC造であれば完全に音が遮断されるわけではありません。窓を開けていれば音は外に漏れますし、排水管や換気口を通じて音が伝わることもあります。過信は禁物ですが、木造と比べた場合の安心感には大きな差があります。
防音性能の目安として用いられるD値(遮音等級)で見ると、RC造はD-50〜D-55程度、木造はD-30〜D-40程度とされています。犬の吠え声(約80〜90dB)がRC造の壁を通過すると35〜40dB程度まで減衰し、一般的な話し声と同じレベルになります。木造では50〜60dBで伝わるため、はっきりと聞こえるレベルです。
家賃の違い
構造の違いは家賃に直結します。同じエリア・同じ間取りで比べた場合、RC造は木造より2〜3割ほど家賃が高いのが一般的です。
| エリア・間取り | 木造の家賃目安 | RC造の家賃目安 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 東京23区・1K | 6〜8万円 | 8〜11万円 | 2〜3万円 |
| 東京23区・1LDK | 10〜13万円 | 13〜17万円 | 3〜4万円 |
| 大阪市内・1LDK | 7〜9万円 | 9〜12万円 | 2〜3万円 |
月額で2〜3万円の差は年間にすると24〜36万円になるため、家計への影響は小さくありません。防音性を取るか、家賃の安さを取るかは、ペットの鳴き声の大きさや生活スタイルによって判断が分かれるところです。
ペットの種類別のおすすめ
犬を飼う場合
犬は吠え声が大きく、室内で走り回ることも多いため、RC造のほうが安心して暮らせます。特に留守番中に吠える癖がある犬の場合、木造では近隣トラブルに発展するリスクが高いです。
ただし、鳴き声が少ない犬種やしつけが行き届いている場合は、木造でもトラブルなく暮らしているケースはあります。防音カーテンやジョイントマットなどの対策を組み合わせれば、ある程度はカバーできます。
猫を飼う場合
猫は犬ほど大きな声を出さないため、木造でも比較的問題なく暮らせることが多いです。ただし、猫特有の「走り回り」(夜中に全力で部屋を駆け回る通称「運動会」)は階下に響きやすいため、1階の部屋を選ぶか、厚手のマットで床を保護するなどの工夫が必要です。
発情期の鳴き声は木造だとかなり響くため、避妊・去勢手術を済ませておくことが前提になります。
木造でもペットと暮らすための工夫
家賃を抑えたい場合、木造のペット可物件を選んで防音対策でカバーするという選択もあります。
最上階の角部屋を選ぶと、隣接する部屋が少ないぶん騒音リスクを下げられます。1階であれば階下への足音の心配がなくなり、犬の出入りも楽です。
防音対策としては、防音カーテンの設置、壁に吸音パネルを貼る、窓に防音テープを貼る、床に厚手のジョイントマットを敷くといった方法があります。これらを組み合わせるとD値で5〜10程度の改善が見込めるとされています。完璧ではありませんが、体感として「かなり静かになった」と感じるレベルです。
構造以外にチェックすべきポイント
建物の構造だけでなく、以下のポイントも防音性に影響します。
築年数は重要です。同じRC造でも築30年以上の物件と築10年未満の物件では、使われている遮音材や施工品質に差があります。内見時に壁をノックして「コンコン」と軽い音がする場合は、コンクリート壁ではなく石膏ボードの可能性があるため注意してください。
角部屋かどうか、隣室との壁の位置関係、窓の向き(幹線道路に面しているかどうか)なども総合的に判断材料になります。
まとめ
ペットと暮らすうえで、建物の構造選びは騒音トラブルの防止に直結します。犬を飼う場合はRC造を優先的に検討し、猫であれば木造でも対策次第で暮らせる可能性が高いです。
RC造にすると家賃は上がりますが、防音対策のグッズ代や近隣トラブルのストレスを考えると、長期的にはコストパフォーマンスが良い場合もあります。物件選びの際は、構造と家賃のバランスをペットの性格や生活スタイルと照らし合わせて判断してみてください。