ペットと一緒に暮らすために賃貸物件を探し始めると、ペット可物件の家賃が通常の物件よりも高いことに気づく方は多いです。同じエリア、同じ間取りの物件でも、ペット可というだけで月額家賃に差があるケースは珍しくありません。

この記事では、ペット可物件の家賃がどの程度高いのか、その理由と、家賃を抑えて物件を探す方法を解説します。

ペット可物件と通常物件の家賃差

ペット可物件の家賃は、同条件の通常物件と比べて5〜20%ほど高く設定されていることが多いです。地域や物件のグレードによって差はありますが、首都圏の一般的な目安は次のとおりです。

間取り通常物件の相場ペット可物件の相場差額(月額)
1K〜1DK7万〜9万円8万〜10万円+5,000〜15,000円
1LDK〜2DK10万〜13万円11万〜15万円+10,000〜20,000円
2LDK〜3LDK13万〜18万円15万〜20万円+10,000〜30,000円

月額で5,000〜20,000円の差は、年間に換算すると60,000〜240,000円になります。2年間の契約で考えると12万〜48万円の差になるため、家賃の差額は物件選びの重要な判断材料です。

なぜペット可物件は家賃が高いのか

家賃が高くなる理由はいくつかあります。

最大の理由は、原状回復コストの上乗せです。ペットを飼育すると、床の傷、壁紙のひっかき傷、におい染み付きなど、通常の生活では発生しない損耗が生じます。大家さんはその修繕コストを見込んで、家賃や敷金に上乗せしているのです。

供給の少なさも価格を押し上げる要因です。賃貸物件全体のうちペット可の割合は地域によって異なりますが、都市部でも全体の10〜20%程度にとどまるとされています。需要に対して供給が少ないため、相対的に家賃が高くなりやすい構造があります。

ペット可物件では、共用部分の清掃や消臭、防音対策に追加のコストがかかる場合もあります。これらの管理費用が家賃に反映されていることもあります。

家賃以外にかかる追加費用

ペット可物件では、家賃以外にも通常物件にはない費用が発生することがあります。

項目費用の目安備考
敷金の上乗せ家賃0.5〜1ヶ月分通常より1ヶ月分多いケースが一般的
ペット礼金家賃0.5〜1ヶ月分物件による。かからない場合もある
ペット飼育保証金10,000〜50,000円退去時に清掃費用に充当
退去時クリーニング30,000〜80,000円ペット飼育分の特別清掃

敷金が通常より1ヶ月分多いのは、ペット可物件ではかなり一般的な条件です。退去時の原状回復費用に充てるための預かり金なので、きれいに使えば一部が返金されることもあります。

初期費用の総額で見ると、通常物件より10万〜30万円ほど多くかかることを想定しておきましょう。

家賃を抑えてペット可物件を探す方法

ペット可物件の家賃を少しでも抑えたい場合、探し方にいくつかの工夫があります。

「ペット相談可」物件を狙う

「ペット可」ではなく「ペット相談可」と表記されている物件は、もともとペット飼育を前提とした物件ではないため、家賃がペット可物件よりも安いことがあります。大家さんとの交渉次第でペット飼育が認められるケースも多く、交渉の余地がある分だけ条件面で融通が利くこともあります。

築年数の古い物件を検討する

築年数が経った物件は、空室対策としてペット可にしているケースがあります。新築のペット可物件に比べて家賃が安く、同じエリアでも月額1万〜2万円の差がつくことがあります。古い物件でもリフォーム済みであれば快適に暮らせるため、築年数だけで候補から外さないのがポイントです。

駅からの距離を広げる

駅から徒歩15分以上の物件は、駅近物件に比べて家賃が下がる傾向があります。犬を飼っている場合は毎日の散歩で歩く距離が増えるものの、散歩コースが確保しやすいメリットもあります。駅距離を5分広げるだけで、月額5,000〜10,000円安くなることは珍しくありません。

対象エリアを広げる

人気エリアから1〜2駅ずらすだけで、同条件の物件が1万〜2万円安く見つかることがあります。通勤時間が10分増えるだけで年間12万〜24万円の節約になるとすれば、検討する価値は十分にあるでしょう。

仲介手数料を抑える

物件の家賃自体を下げるのが難しい場合は、初期費用のうち仲介手数料を抑える方法も有効です。仲介手数料は家賃1ヶ月分が上限ですが、不動産会社によっては0.5ヶ月分や無料で対応しているところもあります。ペット可物件は初期費用が膨らみやすいため、仲介手数料での節約は家計へのインパクトが大きいです。

ペット可物件の家賃交渉は可能か

家賃の交渉が成功するかどうかは物件の状況次第ですが、可能性がゼロではありません。

空室期間が長い物件や、ペット可にしたばかりで入居者がまだ少ない物件は、大家さんが早く入居者を確保したいと考えている場合があります。このような物件では、家賃の値下げや敷金の減額に応じてもらえるケースがあります。

交渉のタイミングとしては、引越しの閑散期(5〜8月、10〜12月)が有利です。繁忙期(1〜3月)は物件が動きやすい時期のため、交渉に応じてもらえる可能性は低くなります。

交渉する際は、ペットの種類やサイズ、しつけの状況を具体的に伝えると、大家さんの安心感につながります。小型犬1頭であること、しつけ教室に通っていること、前の物件ではトラブルがなかったことなど、具体的な情報を用意しておくとよいでしょう。

まとめ

ペット可物件の家賃は通常物件より月額5,000〜20,000円ほど高くなる傾向があります。初期費用も含めると、2年間で数十万円の差になるため、物件選びの段階で費用感をしっかり把握しておくことが大切です。

「ペット相談可」の物件を狙ったり、エリアや築年数の条件を柔軟にしたりすることで、家賃を抑えつつペットと暮らせる物件を見つけることは十分に可能です。仲介手数料の節約もあわせて検討すると、初期費用の負担をさらに軽減できます。