東京23区でペットと暮らす部屋を探すとき、物件の条件だけを見て決めると、住み始めてから困ることがあります。近くに犬を放せる場所があるか、夜中に具合が悪くなったときどこへ行けるか。この2つは、内見のときには目に入りにくいのに、毎日と万一に効いてきます。

この記事では、23区内で無料で使えるドッグランと、夜間に診てもらえる動物病院を、公式の資料で確認した内容にもとづいて整理しました。ドッグランは運営する主体によって登録の条件も入れない犬の条件も違います。 知らずに行くと入れません。

ペット可物件の探し方には2つの見方がある

ペット可物件を探すとき、「物件数が多い区」と「全体に占めるペット可の割合が高い区」は別のものです。

物件数が多い区は、住宅地として面積が広く母数が大きいだけのことがあります。逆に、タワーマンションや築浅物件が集まるエリアでは、物件数は少なくても割合が高くなることがあります。数を広く見て回るか、割合の高いエリアで効率よく当たるか。この2つの切り口を意識しておくと、ポータルでの絞り込み方が変わります。

ただし、区別のペット可物件数や割合を示す公的な統計はありません。 各ポータルが公表している数字は、そのポータルの掲載物件を数えたもので、集計の条件も時期も違います。国土交通省の不動産情報ライブラリにも、ペット可という条件での集計はありません。

どこかで「この区はペット可が多い」という数字を見たら、どのサイトが、いつ、どんな条件で数えたのかを確かめてください。同じ区でも、対象を新築に絞るか築古まで含めるか、駅からの距離をどう切るかで数字は動きます。

契約のときに確認しておきたいのは、飼育に関する特約の中身です。敷金が上乗せされるか、退去時の原状回復でどこまで借主の負担になるか、多頭飼いになった場合に届け出が要るか。このあたりは物件ごとに書き方が違うので、重要事項説明のときに飛ばさず読んでおくと、退去のときの認識のずれを防げます。

タワーマンションでは「小型犬1〜2頭まで」「猫は不可」といった条件が細かく設定されていることがあります。大型犬や多頭飼いの場合は、選択肢が限られます。飼育できる体重・頭数・種類と、共用部の通行ルール(抱きかかえの要否、ペット用エレベーターの有無)は、内見のときに必ず確認してください。

23区内の無料ドッグランは運営主体で条件が変わる

23区内で無料のドッグランは、運営する主体によって登録の方法も、必要な書類も、入れる犬と人の条件も変わります。ここでは都立公園、中央区、港区の3つを取り上げます。23区の無料ドッグランを網羅した一覧ではありません。 各区が独自に設けている施設もあるため、住む候補が決まったらその区の公式サイトも確認してください。

運営対象施設(23区内)登録
東京都(都立12公園の共通利用登録)駒沢オリンピック公園・蘆花恒春園(世田谷区)、代々木公園(渋谷区)、木場公園(江東区)、城北中央公園(板橋区)、舎人公園(足立区)、水元公園(葛飾区)、篠崎公園(江戸川区)WEB申請。1回の登録で12公園すべて使える
中央区築地川公園、晴海臨海公園、浜町公園(わんわん広場)施設ごとの事前登録は案内されていない
港区芝浦中央公園、港南緑水公園、新広尾公園窓口で登録(年1回更新)。登録証は区内共通

都立12公園の共通利用登録

都立公園のドッグランは、12公園共通の利用登録制です。対象は桜ヶ丘公園、神代植物公園、篠崎公園、小山内裏公園、蘆花恒春園、駒沢オリンピック公園、城北中央公園、水元公園、舎人公園、代々木公園、木場公園、小金井公園で、1回登録すればこの12か所すべてで使えます。 このうち23区内にあるのは8か所です。

登録で確認されるのは、当該年度の狂犬病予防注射済票(プレート)です。プレートに管理番号が付いていない場合は、犬鑑札またはマイクロチップ登録証明書に記載された番号とあわせて確認されます。混合ワクチンの接種証明書は、登録の要件には入っていません。

登録は犬1頭につき1つ必要です。有効期限は登録証が発行された日から翌年度の6月30日までで、それ以降も使うなら、当該年度の狂犬病予防注射済票が発行されてから期限までの間に申請し直します。生後4か月未満の犬は登録できません。

登録証は同居の家族なら共用できますが、別居の家族を含めて他人に貸すことは認められていません。登録が済むと入口の暗証番号が知らされます。この番号を第三者に教えることは一切禁止されています。

共通なのは登録制度だけ。現地のルールは公園ごとに違う

ここが見落とされやすいところです。共通しているのは登録の仕組みであって、現地で守るルールは公園ごとに違います。 木場公園の規約にも「利用登録が完了した場合でも、各公園の利用規約により、利用できない場合があります」と書かれています。

東京都公園協会が公開している公園別の早見表から、23区内の8公園を並べます。

公園子どもの入場1人が連れて入れる頭数小型犬エリア中・大型犬エリア
駒沢オリンピック公園未就学児は入場不可。小・中学生は成人の保護者同伴2頭8kg未満6kg以上
蘆花恒春園0〜6歳は保護者同伴でも入場不可。中学生以下は成人の保護者同伴2頭10kg未満フリーエリア(火・木は中大型犬優先)
代々木公園0〜6歳は入場不可。12歳以下は成人の保護者同伴2頭(闘犬種はミックス含め1頭)超小型5kgまで/小・中型12kgまで中・大型10kg以上
木場公園12歳以下は18歳以上の保護者同伴2頭10kg未満10kg以上
城北中央公園0〜6歳は保護者同伴でも入場不可。中学生以下は成人の保護者同伴2頭8kg未満8kg以上
舎人公園小学生以下は保護者同伴でも入場不可。中学生〜18歳未満は成人の保護者同伴制御可能な頭数詳細はサービスセンターへ確認同左
水元公園0〜6歳は入場不可。7〜12歳は成人の保護者同伴3頭概ね8kg未満概ね6kg以上
篠崎公園中学生以下は成人の保護者同伴制御可能な頭数8kg未満体重制限なし

同じ都立公園でも、子どもの入場条件と体重の区切りがこれだけ違います。 舎人公園は小学生以下が保護者同伴でも入れず、代々木公園はエリアが3つに分かれています。体重10kgの犬は、木場公園では中・大型犬エリアですが、駒沢オリンピック公園でも中・大型犬エリア、蘆花恒春園ではフリーエリアという扱いになります。

行く前に、その公園の利用規約を確認してください。早見表にも「詳細は、ご利用予定の公園の利用規約を必ずご確認ください」と書かれています。

木場公園の場合

参考に、木場公園の規約で定められている現地のルールを挙げます。ほかの公園でも似た項目がありますが、数値は公園ごとに違います。

  • 利用時間は24時間だが、「原則として、日の出ている時間帯でのご利用をお願いします」(騒音のトラブル防止と、照明がなく危険なため)
  • 大雨や強風などの荒天時、災害の発生時は閉鎖されることがある。緊急工事などで予告なく閉まることもある
  • 利用登録証は常に首から下げる
  • 入出場のたびに、扉が完全に閉まっているか確認する
  • 尿をした後は水で洗い流す。糞や吐いたものは持ち帰り、公園のごみ箱やトイレには捨てない
  • ボールなどの玩具は許可された曜日のみ使用できる(掲示板で確認する)

利用できない犬として、闘犬(ミックスを含む)、噛み癖など他の犬に危害を加えるおそれのある犬、発情期のメス犬、病気や外部寄生虫がいる犬、飼い主の指示を聞けない犬が挙げられています。

禁止されているのは、ベビーカーや犬用カート・イス・シートの持ち込み、犬以外のペットの入場、犬だけを放置すること、飲食と喫煙、犬へのエサやおやつ、訓練士などの営業活動、ブラッシングや洗浄、人だけでの入場、そして登録していない人への登録証の貸与と暗証番号の開示です。

中央区のわんわん広場

中央区は築地川公園(明石町10-2)、晴海臨海公園(晴海2-4-27)、浜町公園(日本橋浜町3-43先)の3か所に犬を放せる広場を設けています。

利用時間は公園によって違います。

公園利用時間
築地川公園7:00〜20:00
晴海臨海公園7:00〜20:00
浜町公園平日 7:00〜20:30/土日祝 15:30〜20:30

施設ごとの事前登録は案内されていません。区が示している利用の条件は、保健所への登録、毎年の狂犬病予防注射、鑑札の装着の3つで、これは飼い犬として済ませておくべき手続きそのものです。

中学生以下の利用には保護者の同伴が必要です。広場はフリーエリアと小型犬エリアに分かれています。

持ち込めるおもちゃは「野球ボール程度の大きさで柔らかいもの」に限られ、必ず持ち帰ります。広場内での飲酒・喫煙、犬に食べ物を与えること、運動用具の持ち込み、訓練士などの営業活動、ブラッシングは禁止されています。広場の外で引き綱を放すことも認められていません。

入場できないのは、発情期のメス犬、噛みつきなどのトラブルを起こした犬、闘犬を目的とした犬、そして鳴き止まない犬です。犬以外のペットと、犬を連れていない人も入れません。

区は使い方についても呼びかけています。いきなり中に入らず、引き綱をつけたまま他の犬と一緒に遊べるか様子を見て、場の雰囲気になじませてから外すこと。広場に慣れていない犬や、飼い主の指示を聞けない犬は引き綱を外さないこと。広場で起きた噛み合いや負傷、人とのトラブルは利用者の責任で解決することも明記されています。

港区の3公園

港区は芝浦中央公園、港南緑水公園、新広尾公園の3か所にドッグランを設けています。利用は無料ですが、利用登録が必要で、登録証は年1回の更新です。

公園面積開放時間エリア
芝浦中央公園(B面)1,058㎡10月〜4月 7:00〜17:00/5月〜9月 6:00〜19:00一般犬用・小型犬用
港南緑水公園531㎡7:00〜19:00(通年)一般犬用・小型犬用
新広尾公園130㎡7:00〜19:00小型犬用のみ(体高の目安25cm以下)

芝浦中央公園の休園日は12月31日から1月3日です。

新広尾公園には注意点があります。古川の維持工事の作業ヤードとして使われるため、毎年6月から8月は利用できません。令和8年度は6月12日から8月28日までが対象です。2025年4月に開設された施設で、面積も130㎡と小さく、中型以上の犬は入れません。

登録に必要なのは、犬鑑札またはマイクロチップIDと、当該年度の狂犬病予防注射済票の2点です。マイクロチップを装着している場合は犬鑑札は不要です。登録は犬1頭につき1つになります。

注意したいのは、狂犬病予防注射済票と、獣医師が発行する注射済証が別物だという点です。済票の交付を受けるには、獣医師の注射済証を各総合支所の区民課保健福祉係、またはみなと保健所生活衛生課の窓口に提示して申請する必要があります。

登録の窓口は5か所あります。

窓口住所受付
麻布地区総合支所 まちづくり課土木担当六本木5-16-45平日 8:30〜17:00
有栖川宮記念公園 管理棟南麻布5-7-29毎日 8:30〜17:00
芝浦港南地区総合支所 まちづくり課土木担当芝浦1-16-1平日 8:30〜17:00
芝浦中央公園 管理棟港南1-2-28年末年始を除く毎日 8:30〜17:00
港南緑水公園 管理棟港南4-7-47毎日 8:30〜17:00

どこで登録しても、登録証は区内の3公園で共通に使えます。

規約は3公園共通です。登録証は見えるように携行します。混合ワクチンの予防接種を1年以内に受けていない犬と、病気の犬は利用できません。発情期のメス犬も入れません。飼い主の飲食、犬のおもちゃや食べ物の持ち込みも禁止されています。

3歳以下の乳幼児は入場できず、中学生以下は保護者の同伴が必要です。子どもを連れて入るときは、子どもからも目を離さないよう求められています。

入れない条件は制度ごとに違う

3つの制度は、入れない犬と人の条件がそれぞれ違います。同じ23区内でも、ある公園で入れた犬が別の公園では入れないことがあります。

条件都立公園(木場公園の例)中央区港区(3公園共通の規約)
闘犬闘犬(ミックス含む)は不可闘犬を目的とした犬は不可記載なし
噛み癖他の犬に危害を加えるおそれのある犬は不可噛みつきなどトラブルを起こした犬は不可記載なし
発情期のメス犬不可不可不可
病気・寄生虫病気の犬、ノミ・ダニなど外部寄生虫がいる犬は不可記載なし病気の犬は不可
混合ワクチン規約に記載なし記載なし1年以内に接種していない犬は不可
月齢生後4か月未満は登録できない(共通登録の要件)記載なし記載なし
鳴き声記載なし鳴き止まない犬は不可記載なし
子ども公園ごとに違う(木場は12歳以下が18歳以上同伴、舎人は小学生以下が同伴でも入場不可)中学生以下は保護者同伴中学生以下は保護者同伴。3歳以下は入場不可
一度に連れて入れる頭数公園ごとに違う(木場2頭、水元3頭、篠崎と舎人は制御できる頭数)記載なし記載なし
犬を連れていない人人だけでの入場は不可入場できない入場できない

混合ワクチンの扱いが分かれる点は押さえておいてください。港区は1年以内の接種を条件にしていますが、都立公園の共通登録は狂犬病予防注射済票の確認までで、混合ワクチンの証明書には触れていません。

子ども連れでの利用も違います。中央区と港区は中学生以下に保護者の同伴を求め、港区はさらに3歳以下の乳幼児が入場できません。都立公園は先に見たとおり公園ごとに条件が分かれ、舎人公園は小学生以下が保護者同伴でも入場できません。同じ「子どもと一緒に行く」でも、行き先によって条件が変わります。

木場公園の規約には、小さな子どもを連れて入る場合について「犬との接触、飛びつき等による転倒・怪我の恐れがあることを十分考慮した上でご利用ください」という注意も添えられています。

夜間に診てもらえる施設へのアクセス

住むエリアを決めるとき、夜間の受け皿までどのくらいで着くかを見ておくと、いざというときの動きが変わります。

施設所在地・電話夜間の受付
TRVA動物医療センター世田谷区深沢8-19-12-2F/03-5760-121220:00〜翌6:00(電話受付は翌5:00まで)
ひがし東京夜間救急動物医療センター江東区亀戸6-38-11 ノビールメンテ・ウエダビル1F/03-5858-996919:00〜翌7:00(電話受付は翌6:00まで)
日本動物医療センター渋谷区本町6-22-3/03-3378-3366救急は24時間

3施設は世田谷区、江東区、渋谷区に分かれています。自宅の候補からどこへ何分で着くかは、実際に経路を調べて確かめてください。ひがし東京夜間救急動物医療センターは犬・猫のほかうさぎとフェレットも診療対象に挙げていますが、記載以外の動物は受けられず、うさぎとフェレットも時間帯によっては受けられないことがあると注記されています。

電話の受付が診療時間より早く終わる施設があります。 TRVAは診療が翌6:00までで電話受付は翌5:00まで、ひがし東京は診療が翌7:00までで電話受付は翌6:00までです。どの施設も来院前の電話を求めているので、電話受付の終了時刻も控えておいてください。

どの施設も来院前の電話を求めています。ひがし東京夜間救急動物医療センターは、来院時に持ってくるものとして、かかりつけ病院での検査データ、服用中の薬、飼い主の身分証明書を挙げています。支払いは現金・クレジットカード・電子マネーが使えます。

施設によって役割が違う点も知っておいてください。TRVA動物医療センターは救急処置を専門にしていて一般の外来は行わず、診療後はかかりつけの動物病院を再受診するよう求めています。一方で日本動物医療センターは24時間365日の対応で、そのまま24時間の入院看護に移ることもできると案内しています。

引越し先を決めるときは、夜間の行き先とあわせて、日中に通えるかかりつけの候補も見ておいてください。

23区の夜間救急はここに挙げた以外にもあります。施設ごとの受診条件や費用は東京の夜間救急動物病院にまとめました。

エリアを選ぶときに確認すること

確認すること確かめ方
物件の飼育条件飼育できる体重・頭数・種類。「ペット相談可」でも猫は不可のことがある
共用部のルール抱きかかえの要否、ペット用エレベーターの有無
近くのドッグランの制度都立・区立で登録方法が違う。必要な書類を先に揃える
自分の犬が入れるか月齢、混合ワクチン、発情期の扱いが制度で違う
子どもと一緒に行けるか年齢制限がある施設がある
夜間の受け皿までの時間深夜の道路状況で経路を確認する
電話受付の終了時刻診療時間より早く終わる施設がある

引越しのときに整理しておきたいのが、犬鑑札と狂犬病予防注射済票の扱いです。都立公園も港区も、登録に必要なのはこの2点(またはマイクロチップIDと済票)になります。

転入したら、犬鑑札の変更手続きが要ります。 世田谷区の例では、前の住所地で交付された鑑札を持参して登録事項変更届を出すと、その区の鑑札と無償で交換されます。持参できない場合は再交付の手数料がかかります。

一方で狂犬病予防注射済票は、世田谷区の案内によれば、転出しても発行年度中は一度交付を受けたものをそのまま使えます。済票まで取り直す必要はありません。手続きの内容は自治体によって違うことがあるので、転入先の区の案内も確認してください。

参考情報

この記事の情報は2026年9月13日に以下の公式資料で確認しました。利用時間や条件は変わることがあるため、行く前に最新の内容を確かめてください。

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